英語学習本

「英語”瞬発”スピーキング(横山カズ著)」英語の瞬発力を高め、聞く力をつけ、話せるようになろう!

Kazu

英語らしい発想を身につけ、英語のスピーキング力とリスニング力を強化できる本をご紹介します!

横山カズ先生の「英語”瞬発”スピーキング(IBCパブリッシング出版)」です。

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2018年5月に発売された、英語通訳者、翻訳家、英語講師としてご活躍されている横山カズ先生の本です。

横山カズ先生といえば、英語の瞬発力と流暢性を高めるための音読技法「パワー音読」を提唱され、この本の出版までにいわゆるパワー音読本をいくつか出版されています。

当ブログでもご紹介しているので、記事をご覧いただければ幸いです↓

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ボクは本書が出版されてからしばらく月日が経過し、上記で紹介した以外にも横山カズ先生の本で学習した後に本書を手に取りました。

書籍をちらっと確認したときに、他のパワー音読本とは少し違う角度で本書が構成され、学びになることがたくさん書かれていると感じたからです。

実際に学習してみて、その実感は現実のものとなり、他のパワー音読本を手にしている方でまだこちらをご覧になっていない方にはぜひおススメしたいと思う本でした。

もちろん、英語スピーキング力を磨きたい、流暢性をアップさせたいと考えている方にもオススメです。

本書の読みどころや感じたことなどをご紹介します!

「英語”瞬発”スピーキング」の目次

「英語”瞬発”スピーキング」は「理論編」「実践編」に分かれています。

理論編の目次

まえがき

序章:試行錯誤の末に行きついた「瞬発力」トレーニング
   英語学習の悩みを解決!あなたの悩みは、ズバリ何ですか?

第1章:自分を知れば自分だけの英語が話せる!
    英語で「思う」力のインストール

第2章:聞こえれば話せる!
    英語が「聞こえる」耳のインストール

第3章:ふだん使いの英語が軽く柔軟に話せる!
    英語の「感覚」インストール

第4章:ストライクゾーンを広げて自由自在に!
    英語の「運用力」のインストール

第5章:今後の持続可能な上達のために!
    英語で「思う力」をぐんぐん伸ばす

目次を見るとそのコンテンツの豊富さに圧倒されそうですが、まえがきを含めてわずか55ページの中でわかりやすくまとまっている印象です。

次に、実践編の目次です。

実践編の目次

パワー音読®︎(POD)のしかた

トレーニング
1日目:I wonderとI seeに英文を続けよう!
2日目:英語発想で無生物主語をどんどん言おう!①
3日目:英語発想で無生物主語をどんどん言おう!②
4日目:英語発想で無生物主語をどんどん言おう!③
5日目:関係詞で自由に話そう!①
6日目:関係詞で自由に話そう!②
7日目:「意図と行動」をとらえる①
8日目:「意図と行動」をとらえる②
9日目:「,(カンマ)which」で途切れなく話す
10日目:英語らしい表現で周りと差をつける
付録:ビジネス現場への展開トレーニング

あとがき

理論編で理解した内容を踏まえて、パワー音読の6ステップを用いてトレーニングをする英文が10日分(10セット)、項目ごとにまとめられています。

「パワー音読」については、当ブログの以下の記事の「パワー音読を体験」で簡潔にまとめていますので、そちらをご覧ください↓

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「英語”瞬発”スピーキング」の良いところ

音読でリスニング力アップ!

本書が横山カズ先生の他のパワー音読本と違う大きな点は、各トレーニングの最初の項目に、「聞こえる耳をインストール!」というトレーニングがあるところです。

実際にボクも最初に本書のページをざっとめくったときに印象に残ったのがこの部分です。

英語が聞き取れない理由の一つに、実際に認識している音とリアルな英会話で使われている音の認識との乖離があります。

音のリダクション(脱落)やリエゾン(連結)が頻繁に起こるため、英語が早く聞こえ、全く聞き取れないという状態が生まれます。

英文をディクテーション(書き取り)してみると、聞き取れない語の多くは機能語と呼ばれる冠詞のa/theや、on,to,forなどの前置詞、頻繁に登場する代名詞だったりすることがあります。

本書では音のリダクション(脱落)を中心に、頻出の語彙をしっかりと発音し音読トレーニングをすることで聞き取る力をインストールするようになっています。

音のリダクション(脱落)では、単語の最後の”t”,”d”,”p”,”k”,”g”などの子音が発音されなかったり、音が弱形になることを言います。

例えば、実践編1日目では、以下のような語(句)の練習があります。

about ァバゥッ
about that ァバゥッダッ

and I ァナィ

at that time ァダッ ターイ m

英語”瞬発”スピーキング p.62,63より

本書には上記の引用の語(句)の右横に示したオリジナルのカタカナ発音表記が全て付いています。

カタカナ表記を見ると、”about”や”that”、”and”、”at”の最後の子音は全て発音されず、次の語が存在する場合は次の語の最初の音と結びついて発音されていきます。

このように、英語学習初期に習う、誰でも知っている語が実は音がリダクションしているため実際に認識している音と違う場合があり、聞き取れないことが多くあります。

本書はそこに踏み込み、まずはそのことを認知した上で、音読で発音することができるようにし、やがて聞き取る力を獲得するという仕組みになっています。

本書に掲載されている全てのパワー音読用例文に、オリジナルカタカナ表記が付随しているので、発音記号に詳しくなくてもそれを頼りにトレーニングをすることができます。

この点は、横山カズ先生の他の著書にはない、本書の良いところだと感じました。

英語独特のシステムをインストールできる!

英語を話しているときに言いたいことが出てこない…というのは、英語の上級者でも必ずあると思います。

特に初級者は言いたいことが頭に思い浮かんでも何を言っていいか検討がつかず、沈黙してしまうことが多々あると思います。

ボク自身、初めて語学留学したときはそれなりに英語学習をしてきたはずなのに、言葉が出ずに悔しい思いをしたことは数えきれないほどあります。

日本語の◯◯って何て言うんだろう?

と考えたときに、その日本語に近い英単語を探してくっつけてみたり、主語を人から始めようとしたりしてしまいがちです。

英作文をするときに、とにかく日本語の訳を文字通り英単語に置き換えて文章を作ってしまうという経験もあるのではないでしょうか?

横山カズ先生は以下のように仰っています。

会話や文章には、その文がどんな「意図」を持っているのか、どんな「行動」を表現するものなのかという内容があります。英語を話すときは、この「意図と行動(現象)」をつかんで、英語を表現すればいいのです。具体的には「それって結局はこういうことでしょ?」と言い換えます。

英語”瞬発”スピーキング p.44より

本書の44ページに実際に「意図と行動(現象)」を考えて日本語を英文にする例が載っています。

あいつ、モテるなあ!

英語”瞬発”スピーキング p.44より

「モテる」って英語で何て言うんだろう?きっとそれを表す語句があるはず!と考えてしまいますが、横山カズ先生は以下のような思考プロセスで、英訳しています。

モテるとはどういうことだろう。誰がどんな「意図と行動(現象)」を持って、誰をどうしているんだろう、と考えてこの文を「分解」すると、「女の頃たちが彼を巡って争っている」⇨Girls fight over him. と言い換えができるわけです。「モテる」をpopularと一語で応じるのももちろん正解ですが、単語をド忘れしてもいいようにこういう考え方を身につけましょう。

英語”瞬発”スピーキング p.44より

ボクはこの「意図と行動(現象)」という考え方を知ることによって、英語を考えるときに少し柔軟に考えることができるようになった気がします。

英語の基本システム「A is B」または「A does B」の中に、頭に思い浮かんだイメージを柔らかく当てはめていくイメージです。

それは簡単なことではないのですが、英会話であれば言葉を変えて何度か説明することもできますし、英語の発想を知ることで英語独特の無生物主語の文章がスッと馴染む感覚がしています。

本書の実践編の7日目と8日目には、『「意図と行動」をとらえる』という項目があり、日本語でよく使いそうな表現が英語ではどう表現できるかが練習できるようになってます。

トレーニングの中にある例を、日本語のみご紹介します。

悩んでます/ブレてます。

別腹

せつない

水に流す。

身から出た錆/自業自得

これらの日常よく使いそうなフレーズが、ほぼ基本的な単語で表現できるのです。

このような英文をトレーニングを通じて繰り返し音読することによって、英語的な発想が次第に自分の中に染みつき、表現したいことの根底にある「意図と行動」を「A is B」または「A does B」のシステムに落とし込んでいく思考回路が生まれてきます。

1日5分できる音読トレーニング!

本書は、横山カズ先生の数ある著書の中でも一線を画した本であると感じます。

第一に、横山カズ先生の提唱する「パワー音読」という言葉が本のタイトルに入っていませんし、パワー音読(POD)のしかたは横山カズさんの著書の中でも最も少ない、わずか2ページに言及されているのみです。

次に、収録されている英文を見ると、各トレーニング冒頭の「聞こえる耳をインストール!」のところでは単語もしくはフレーズの音読トレーニングになっており、各トレーニングの目玉の英文は全て短文で分量は比較的少なめと感じます。

したがって、学習するまとまった時間が取れなくても、5分もあれば1日分のトレーニングができるような仕組みになっています。

もちろん「パワー音読」のステップを踏みながら、聞こえる耳を養うための音読活動と、英語のシステムを取り込み、瞬発力を高めるための音読活動をゆっくりと味わいながら、自分のペースで学習できるよう作られています。

本書の「まえがき」に、この本の目標についてこう書かれています。

世の中にはとても多くの英語や語学の習得理論や研究がありますが、私はそれらとは少し違った視点から本書を編んでみようと思いました。つまり、「実際に役に立つかどうか」。本書の最終目的はただその一点のみに絞り込まれています。言いかえれば、最終目的は「瞬発力」、「自在に話すこと」、「聴き取れること」、これだけです。

英語”瞬発”スピーキング p.3より

「パワー音読」の効果を知ることが目的ではなく、「パワー音読」のエッセンスを活用しながら英語の「瞬発力」をつけるための理論と実践に焦点を絞った一冊だと感じました。

まとめ

「英語”瞬発”スピーキング」は、英語スピーキングの瞬発力を高めたいという人にオススメです。

また、簡単な英語のリスニングに苦労しているという人にもオススメです。

横山カズ先生の他のパワー音読本を手にしている方は、こちらをよく読むとパワー音読の効果がますます体内の奥深くに浸透していくと確信しています。

最後に、IBCパブリッシングさんのサイトに横山カズ先生の本書の紹介と利用方法などの動画があるので、そちらを紹介します!

英語”瞬発”スピーキングのご紹介
英語”瞬発”スピーキングの実践方法

英語”瞬発”スピーキングで追求していること

英語”瞬発”スピーキングで英語を楽しもう!
Kazu

楽しみながらこんなふうに英語が使えるようになりたいですね!

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