英語学習本

英語学習をしている人、全ての英語学習者におすすめのエピソードとメソッドが詰まった「英語に好かれるとっておきの方法(横山カズ著)」を紹介します!

Kazu

こんにちは、Kazuです。
今日は「英語頑張ろう!」って気持ちにさせてくれる本を紹介します!

同時通訳者、翻訳家、英語講師としてご活躍されている、横山カズ先生の本です。

岩波ジュニア新書は小中学生から大人まで、幅広く読める入門新書です。ボクは何度も読んでは毎回感動を覚えています。

本書は英語の参考書ではなく、著者の横山カズ先生が同時通訳として活躍するまでの試行錯誤してきた経緯と、横山カズ先生が提唱する「パワー音読(POD)」について書かれた本です。

今まで英語学習をしてきた方々にはもちろんのこと、英語学習でつまづいてしまった、やってはいるものの不安に思いながら学習している方々にはぜひ読んで欲しい1冊です。

本書を読んで、読みどころや感じたことなどをご紹介します!

英語のセンスがないと言われ続けた学生時代

第1章では、横山カズさんの小学生時代のエピソードからスタートします。

小学校低学年のときに通訳者になりたいと思った横山カズさん。大きな夢を抱いて待ち望んだ中学校の英語の授業。しかし、中学校の先生からこう言われたそうです。

「海外に留学しなければ英語はうまくならない」

ボクが中学時代に先生にこう言われたとしたら、「まぁそっか」と思ってそのまま流れに身を任せて過ごしているだけだっただろうなと思います。

さらには、

「君には英語の適性がない」などと教師から言われ続けて傷ついたそうです。多くの方がその言葉に傷つき、下手すると英語への興味・関心すら失ってしまうかもしれません。

ところが、横山カズ先生はそれに対して反骨精神を持って、

「国内にいて英語ができるようになってみんなを驚かせてやる!」

という気持ちを抱いて大学への門をたたき、バウンサーの仕事をしながら英語力を磨き、通訳者への道を自ら切り開いていきました。

ここまでのストーリーは、英語力を向上させるために英語学習者の誰もが通る道で、現在、同時通訳者としてご活躍されている横山カズ先生とて他の英語学習者と同じように試行錯誤し、挫折を繰り返しながらも進んできたことを実感させてくれます。

センスがあるから英語を使いこなし、英語に関わる仕事をしているのではなく、まさに、

センスを自分の意思と不断の努力によって作り上げて、自分の夢に向かって走り続けてきたのだということが実感できます。

誰もが正しい努力の仕方を知り、実践し、時間をかけて成熟させていけば、英語を使いこなして活躍することができるのだと、後押ししてくれるエピソードです。

英語をマスターした人たちが例外なく行なっていること

バウンサーのアルバイトでの経験から英語への情熱に火がつき、英語の雑誌や英字新聞などを読んで英語力を獲得してきた横山カズ先生ですが、会話が苦手でリスニングができない、と悩みはつきなかったそうです。

それでもバウンサーの仕事を続けたまま通訳者としてやっていこうと決めて通訳の仕事を受けたエピソードが書かれてあります。

ところが、そんな横山カズ先生でも、通訳現場での聞き取りに苦労され、知識ベースでの英語理解に限界があると感じたそうです。

どうしたら英語が耳に流れ込むようになるのか。

そこで横山カズ先生が英語の達人たちが英語を習得する過程でどんな学習をしているのかを観察してわかったことは、

英語をマスターした人たちは例外なく「音読」をしている

ということだったそうです。

ボク自身、学生時代にどうやってリスニング力を向上させていいかわからず、いざ教科書やテストの英語から離れて生の英語を聞くと全く聞き取れない現実に直面し、愕然としたことを覚えています。

英語学習関連の書籍を読み、國弘正雄さんや大西泰斗先生の言葉から「音読が大事」ということを切に感じ、音読を重視した英語学習メニューに変更してから、聞き取る力を含む英語力が少しずつ向上していったのを覚えています。

音読して単語や表現が言えるようになると、それらの表現がリスニングで音としてクリアに聞こえてくるようになります。

また、スラスラと言える表現を増やしていくと、英会話の場面ですっと口から表現が出てきやすくなり、スピーキング力が向上します。英語の瞬発力が上がっていきます。

話は戻りますが、当時、会話やリスニングに難を感じていた横山カズ先生が、思い切って通訳の世界に飛び込んだというのがとても印象的でした。

なぜなら、多くの方々が「その仕事にふさわしい資質・能力を獲得してから仕事に就こう」と考えるのではないかと思います。

自分の力不足で自分自身が大きな恥をかいてしまいそれまで積み上げてきた自信も失うかもしれないし、何より期待して採用してくれた会社に迷惑をかけてしまうかもしれません。

しかし、人は就きたかったポジションを与えられると、そのポジションに適応しようとして必死に努力します。

ポジションが人を作るのです。

ボクも、教えるという仕事を始めてから今もずっと試行錯誤しながら学習を続け実践してきています。

現場にいると、現場にいないときと比べて何が足りないか、何を学習した方がいいか、ということが明確に肌感覚でわかってきますし、その壁を乗り越えようとして必死になります。

横山カズ先生の場合、きっとここには書かれていない夢を手繰り寄せるための努力をしていただろうと思います。

英語の達人が例外なくしている英語学習は「音読」ですが、みんな例外なく多大な「努力」を重ねてセンスを獲得してきています。

センスがある人が、一部の天才が英語を自在に使えるようになる、ということではありません。

そう思いながら「英語に好かれるとっておきの方法」を読んでみると、自分も少しずつ英語に好かれてきているかなあと実感し、さらに英語に好かれるようになるという気持ちが湧いてきます。

パワー音読(POD)を体験

音読をやり始めたことがきっかけで生まれたのが、横山カズ先生の「パワー音読(POD)」という英語学習メソッドです。

第2章から横山カズ先生が実践して英語4技能を身につけるための英語独習法について、そして第3章からパワー音読のやり方と実践に移っていきます。

パワー音読とは、全体で15分もあればできる、音読主体の英語学習メソッドです。

以下、6つのステップを引用しますので、まだパワー音読を知らない方はぜひ下記を参照してイメージしてみてください。

パワー音読(POD)6つのステップ
  1. チャンク音読
  2. ノーマル音読
  3. ささやき音読
  4. 和訳音読
  5. 感情音読
  6. タイムアタック音読

引用元:英語に好かれるとっておきの方法 pp.78~82

6ステップをボクの実践を含めて説明します。

音読する英文を見たら、まずは①意味のかたまり(チャンク)ごとに音読できるよう練習し、②ふつうのスピードで英文全体を音読します。

③のささやき音読が特徴的に聞こえます。こちらは、声を出さずに息を吐いてナイショ話をする感覚で行う音読です。息を強く吐くので英語の子音の音が強化される音読です。

④ではその名の通り英文ではなく和訳を音読します。ボクはこれを大事にしています。意味を「なんとなく」理解している状態で音読してもそれは英語の音をリズムよく読み上げているだけで、英文の意味を根底から理解しきれていないと文字に感情が乗らず、自分の体内にインストールされる感覚がないからです。

和訳を音読して感情を捉えたら、⑤感情音読をします。感情を思うがままにのせて、あたかも書かれていることを擬似体験しているような感じで音読します。

最後に⑥のタイムアタック音読です。①から⑤のステップで練習してきた英文をなるべく速く読む練習をします。時間を決めてストップウォッチで英文を何回音読できるかトライしてみると音読がより楽しくなります。

6つのステップを1セットとして、1セット15分くらいです。英文は自分が音読したい、習得したいという英文ですので、それさえあれば誰でも実践することができます。

本書にはパワー音読用の例文がたくさん掲載されていますので、パワー音読の入門としても最適です。

横山カズ先生の書籍を紹介

ボクが利用したことのある、横山カズ先生の書籍をご紹介します。

横山カズ先生が「パワー音読」に関する書籍として最初に出版された本です。

「理論編」と「実践編」から成る本書では、前者でパワー音読が生まれるまでのヒストリーとパワー音読のやり方、後者でパワー音読を実践し効果を実感できるように成るための英文が掲載されています。

他の書籍と比べて薄く、サイズがひとまわり小さいため、携帯にも便利です。

詳しくはボクがまとめたブログ記事をご参照ください↓

「パワー音読入門(横山カズ著)」毎日15分の音読で英語スピーキング力をアップさせよう! Kazu 関係詞が口からスラスラと出てきた!無生物主語で始める文章が言えるようになった! と実感することができた本をご紹介します...

横山カズ先生がパワー音読を見出し、通訳者として活躍するところがマンガで書かれてあります。

そして、100のパワー音読例文が掲載されています。例文一つひとつが短いため、タイトルにあるように「3分間」でパワー音読が実践できるようになっています。

また、例文に使われている表現や発音のポイントが丁寧に書かれてあるので、「パワー音読入門」とともに入門者にとって最適な構成になっています。

created by Rinker
¥1,980 (2022/01/25 12:14:39時点 Amazon調べ-詳細)

「ビジネス英語」とある通り、あるビジネスの場面で想定されるやりとりをパワー音読素材として扱っている本です。

ビジネスでの同僚とのやり取りから自己アピール、質問の応酬を受ける場面でのサンプル英文がとてもやりがいがあります。

まとめ

「英語に好かれるとっておきの方法」は、全ての英語学習者におすすめしたい本です。

英検1級を取得しても、TOEICで高得点を取っても、英語でできない事ばかりで悔しい思いをすることが圧倒的に多く、「自分って才能がないんじゃないか」と思うこともあるでしょう。

でも、才能のあるなしが英語のセンスを決めるわけではなく、英語のセンスを作るための努力と試行錯誤をどれくらいしたかが、英語をどれくらい使いこなして活躍できるかに関わってきます。

「英語に好かれるとっておきの方法」は、英語の達人が英語習得のための方法を指南するのではなく、夢に憧れた個人が、押しつぶされそうになりながらも秘めた思いを胸に夢を叶えるまでの軌跡が書かれてあることに多大なインスピレーションを与えてくれる本です。

これから英語を学ぶ人たち、英語に困っている人たちや今まさに学んでいる中高生にもぜひ読んで欲しい書籍です。

Kazu

今日も英語頑張ろう!

画像引用元:Amazon .co.jp